外出自粛時に読みたい京都検定3分コラム

塩原直美の「学習帖落書きコラム」(第6回:技術②)

皆さん、5月に突入です。このゴールデンウイークはお家におられましたか? 長い外出自粛生活、家の中での気分転換、様々な工夫をしてお過ごしだったことと思います。料理が得意な方は、さらに腕を上げてレシピの幅を広げたり、お掃除がお好きな方は、家じゅうがピカピカになったことでしょう。音楽を聴いたり、読書したりと「普通はない時間が異常にある」事態の中、時間の有効活用が大切ですね。でも我々には1つ共通の時間の過ごし方があるのでラッキーです。そう「京都の勉強」。これは、どんなに時間があっても「終わり」はありません(笑)。私はお香を焚きながら勉強したり、ベランダや屋上に本を持って行って読んだり「場」の工夫もしています。勉強の合間には和風カード制作、花のアレンジ、折り紙、お絵描きもしました(前回写真の「トラりん」)、俳句や短歌も詠んでみました。その出来栄えや才能はさておき、どうやら「文化力」が身に付きそうな自粛生活です。講義が再開したら、マクラで「その出来栄え」はいかに?お披露目させていただきましょう。拙く下手て笑えます...。

さて6回目も「技術」。講義では伝統的工芸品、建築、河川土木、都の造営・改造、近代産業、実業家、乗り物、博覧会、保存地区など幅広く挙げました。昨年の2級のテーマが「京都の産業」でしたので、京都の企業も添え2級対策では重複項目も多々ありました。 京都の素晴らしい文化財の中でも、その数と歴史、ダイナミックさを誇れるのは「建造物」ですね。府域の国宝建造物の数、棟数では今年も全国1位のままではないでしょうか。
そこで今回は「大工」に着目します。大工関係で押さえておきたいのは「1月の広隆寺の釘初め(ちょうなはじめ)」、「千本釈迦堂本堂の長井高次&おかめ」「家康側近の京都大工頭・中井正清(長香寺に墓)」でしょう。もう1つ、ご紹介したいのが「御香宮境内にある桃山天満宮(1969年に境内に移設)」です。天保の頃(1830~1844年)に大工の阪田岩次郎が社殿建築に使用した大工道具約60点を桃山天満宮に奉納しました。これだけの数の大工道具が揃っているのは貴重で、中には現在は使われていない用途不明な道具もあるとのこと。状態が非常に良いため現在は新神戸にある竹中大工道具館に展示保管されています。建造物の暗記は持ち主や御願者、寄進者を覚えることで手一杯ですが、その各時代に、関わった大工さんたちの高い技術力にも思いを馳せたいです。スゴイね、大工さん!!



・・・講師プロフィール:塩原直美


(画像:おかめ塚(大報恩寺))

 

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